NASとは
NAS(Network Attached Storage)はネットワークHDDともいわれているようです(以降はNASと記載)。
NASはネットワークからアクセスでき、複数のコンピュータからアクセスすることが可能なストレージです。
1台のコンピュータで利用する場合でもバックアップなどのデータの保護に役立ちます。
機能
NASのモデル、価格帯によってはない機能もあります。
- ファイル共有
ファイル共有にはSMB(Windowsで使用される)、NFS(UNIXやLinuxで使用される)、AFP(Macで使用される)などがあります。ご自身の環境に合わせて検討する必要があります。
- RAID
RAIDについては種類が沢山あり、ご自身での環境でどのようなものが必要であるか検討が必要となります。もちろん、RAIDを使わないという選択肢もあります。
- シャドウコピー
シャドウコピーについてはWindowsで使用できる機能で、ある時の状態を復元できる機能(スナップショット)となります。シャドウコピーではスナップショットを保存する容量が必要となります。
- NICの冗長化
企業なのでは冗長化するために使用したり、速度アップ(リンクアグリゲーション)を行ったりすると思うのですが、個人でのメリットが私にはわかりません。
- 外出先からデータにアクセス
NASに保存したデータに外出先からアクセスできる機能です。
- アクセス制限
許可されたユーザのみにアクセスをさせる機能です。
- その他
NASによってはそれ以外の機能を持っている場合があります。例えば私のNASは仮想マシンを動作させたり、アプリ追加によってテレビで動画を見たりすることが可能な機能(DLNA)などあります。
モデル
NASとしては有名なメーカとして以下のものがあります。
- Synology
- QNAP
- IODATA
- BUFFALO
価格ドットコムで売れ筋を確認したところ、大体2万円~10万円と性能によって幅が広いようです。HDDが1台のみの製品が価格が安いようですね。
個人的にはRAID機能が使えるものが良いと思うのですが、個々人にあった製品を選べるといいですね。
私は何に使っているのか?
最後に私がNASをどのように使用しているのかを書きたいと思います。
NAS製品
データ保存用のNASですが、既存製品ではなくパソコンと同じパーツを買ってきて自作しました。以下はHDDを除いた構成になります。
| パーツ種別 | メーカー | 製品名 |
|---|---|---|
| OS | iX system | TrueNAS Core |
| CPU | AMD | Ryzen 3 4300G BOX |
| メモリ | CFD | W4U3200CS-16G |
| マザーボード | MSI | A520M-A PRO |
| 拡張 | 玄人志向 | SATA3-I2-PCIE2 |
| 電源 | 玄人志向 | KRPW-BK650W/85+ |
| ケース | サイズ | SCY-CFS3-BK |
| HDDケース | センチュリー | BPN-DE350SS-BK2 |
| その他 | アイネックス | SATR-3107BK |
| その他 | 変換名人JAPAN | SPR/2 PD3086 |
| ストレージ | ADATA | LEGEND 700 ALEG-700-256GCS |
構築は1年ほど前で当時の設計思想は安く小さくを目標としていましたが、結局ミドルタワーサイズになってしましました。以下(リンクはAliExpressで見つけたもの)のケースが手に入らなかったため、妥協することになりました。
データの内容
主にパソコンのデータのバックアップやドライブデコーダの動画、スマホの写真や動画などのデータのバックアップに使用しています。
データの保護
RAID-Z2(RAID6相当)を使用しているため、2台までHDDが壊れていもデータの復元が可能です(そのため2台分の容量が使用不可)。
ファイルシステムはZFS使用しているため、scrub(整合性チェック)コマンドやS.M.A.R.T(HDDの状態監視)、データのスナップショットを自動的に一定間隔で流れるようにしています。
HDDについて
HDDについてもNAS専用のものがあり、私は1世代目には全HDDをNAS用HDDにしていたのですが、今回の2世代目は資金が足りなかったため通常のHDDも入っています。ここで最も重要なことなのですが、HDDの記録方式はSMRとCMRの2通りあり、NAS向けには従来通りのCMRを使用することをお勧めします。
なぜCMRをおすすめするのかというとHDDが壊れると取替えしてRAIDの縮退状態を正常な状態に戻す必要があるのですが、正常な状態に戻すときにSMRではエラーとなって正常な状態に戻すことができないことがあります。
私は壊れたHDDと同じメーカーの同じ容量のNAS用HDDを購入したのですが、何度試してもエラーとなった経験があります(HDDも交換してもらっても効果なし)。ネット上で検索したところCMRからSMRに仕様変更がされてました。別メーカーのNAS用HDDを購入することでRAIDの状態を正常に戻すことができました。
このようなことがありますので、NASなどの大容量を扱うHDDの記録方式は気をつけた方がよいと思います。
最後に
HDDやSDDなどパソコンのデータを保存する場所には寿命があります。外付けのHDDを利用する手もありますが、NASを使用した方からはNASの方が使い勝手が良いと評価する人もいます。まずはデータのバックアップをすることを試してみてはいかがでしょうか。