RAIDとは

最初に

RAID（Redundant Array of Inexpensive Disks）とは、複数台のHDDやSSDを仮想的に1台のストレージとして運用し、データの冗長性やパフォーマンスを向上させる技術のことです。読み方は「レイド」と読みます。

RAIDの主な目的は以下の3つです。

• データ保護（ミラーリングやパリティによる耐障害性の向上）
• パフォーマンス向上（ストライピングによる高速化）
• ストレージ効率の最適化（冗長性と容量のバランス）

ただし、RAIDはバックアップの代替にはならず、誤操作やウイルスによるデータ消失には無力である点に注意が必要です。

ハードウェアRAIDとソフトウェアRAID

RAIDは「ハードウェアRAID」と「ソフトウェアRAID」に大きく分類されます。

ハードウェアRAID

専用のRAIDコントローラーやRAIDカードを用いてRAIDを構成する方式。

メリット

• CPU負荷が低い（専用コントローラーが処理を担当）
• 高速なデータ処理が可能
• 一般的に信頼性が高い

デメリット

• RAIDカードの故障時に交換が必要
• コストが高い
• RAIDカードの互換性に依存

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ソフトウェアRAID

OSの機能や専用ソフトウェアを使用してRAIDを構成する方式。

メリット

• 追加のハードウェアが不要
• 柔軟な構成が可能
• コストがかからない

デメリット

• CPU負荷が高くなることがある
• OSに依存するため、異なる環境への移行が難しい

RAIDの種類

RAIDにはいくつかのレベル（構成方式）があり、それぞれ特性が異なります。以下は一般的によく使われるレベルになります。

RAID 0（ストライピング）

• 概要: データを複数のディスクに分散して書き込む
• メリット: 高速な読み書きが可能
• デメリット: 冗長性なし（1台の故障でデータ消失）
• 用途: 高速性が求められる環境（動画編集など）

RAID 1（ミラーリング）

• 概要: 同じデータを2台のディスクに書き込む
• メリット: 高い耐障害性
• デメリット: 容量効率が50%
• 用途: 重要なデータを扱うサーバーや個人PC

RAID 5（分散パリティ）

• 概要: データとパリティ情報を複数のディスクに分散
• メリット: バランスの取れた冗長性と効率
• デメリット: 1台故障時の復旧に時間がかかる
• 用途: 一般的なファイルサーバー

RAID 6（ダブルパリティ）

• 概要: RAID 5の強化版で、パリティを2つ保持
• メリット: 2台までのディスク故障に耐えられる
• デメリット: 書き込み性能が低下しやすい
• 用途: 重要データを扱うストレージシステム

RAID 10（RAID 1+0）

• 概要: RAID 0とRAID 1を組み合わせたもの
• メリット: 高速かつ耐障害性が高い
• デメリット: ディスクコストが高い
• 用途: データの安全性と速度の両方が求められる環境

RAIDの注意点

• RAIDはバックアップの代わりにならない（誤削除・ウイルス対策には別途バックアップが必要）
• RAIDの復旧は困難な場合がある（特にRAID 0は復旧がほぼ不可能）
• 異なるメーカーや容量のHDDを組み合わせると問題が発生することがある
• 停電時にデータが壊れる場合がある（無停電装置を取り付けることが望ましい）

最後に

RAIDはデータ保護やパフォーマンス向上に役立つ技術ですが、適切な種類を選ばないと期待した効果が得られません。また、バックアップの代替にはならないため、併用が重要です。用途に応じたRAIDレベルを選び、安全で効率的なストレージ運用を行いましょう。